春日とよ

春日とよ(本名 柏原トヨ)

春日とよ 明治14年9月15日英国人を父に東京浅草に生まれる。
父は3歳の時に英国へ帰国するが、トヨは母方で何不自由なく育てられる。
芸事が好きな祖母と母の元で、唄と踊りの手ほどきを受ける。
長ずるに及んで、常磐津、清元、長唄、荻江など各流の研鑽をつむが、 とりわけ小唄には深く傾注し昭和3年に小唄春日流を創立した。

門人・知人には田中角栄、前尾繁三郎、渋沢秀雄など政・財界人が多く、 また谷崎潤一郎、吉井勇、久保田万太郎、伊東深水などの文化人との親交も深かった。
昭和29年に自伝書が出版されるが、谷崎潤一郎はその序文で「数奇な運命に弄ばれ」 た春日とよについて実に巧みに簡潔に描いたいる。
その小唄は、演奏はもとより作曲にも優れた才能を発揮し、 新派を題材にした作品を多く残すなど小唄の新境地を拓いた。
また春日流を創立してからはその芸にますます磨きをかける一方、 一段と門人の育成と指導にその生涯をかけ、その活動と実績が認められ 昭和35年に紫綬褒章が授与された。
翌昭和36年には小唄の普及、発展を願い、全私財を投じて財団法人春日会を 設立するが、昭和37年4月13日に82歳の天寿を全うした。


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